[4M]2025年10月以降のJGRAD事業支援と事業中止の把握
文部科学省 科学技術・学術政策研究所に関する問題
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[4M]2025年10月以降のJGRAD事業支援と事業中止の把握
2025年9月のオンラインJGRAD連絡会に関して橋本総括が私の参加を拒否して以降、私には非常勤職員手当の給付対象となる公式客員勤務日はありませんでした。しかし、JGRAD事業が持ち直してほしいとの願いから、無報酬であっても第1調査研究グループにおけるJGRAD事業の主担当であるIM上席、副担当であるIS上席に対し、丁寧に事業支援を行ってきました。主にIM上席からSlack上で行われる質問や作業依頼に対しては、1日以内に回答・対応してきました。2025年10月以降のJGRAD事業支援に関する私からの投稿・返信は30件以上、13,000文字以上となっています。ただし、現在の常勤担当が明確に誤った認識や作業遅延、リスクのある方針をとらない限りは、前任者として細かい指摘や情報共有依頼を行うことは適切ではないと考えていました。このため、現在の常勤担当やJGRAD事業の運営委託先からの質問や依頼に対応する場合を除き、基本的には任せる姿勢をとってきました。
一方で、現在の常勤担当から私へのJGRAD事業に関する情報共有は能動的に制限する動きがありました。2025年10月中旬においてJGRAD事業において一般公開しているメーリングリストのjgrad@nistep.go.jpから私のメールアドレス(ksaito@nistep.go.jp)が無断で除外されたようでした。ただし、2025年10月から2026年3月までは、事業用メーリングリストから私のアドレスが除外された件に関して敢えて指摘せず、IM上席から問われた質問、求められた支援作業に関しては、1日以内に丁寧に対応してきました。
なお、事業用メーリングリストから私のアドレスが除外されたことに関して、当初は橋本総括による指示の可能性が想起されましたが、メーリングリストの宛先のような細部にまで注意を払う人物とは考えにくく、現在はIM上席の発案、操作であったと考えています。約5か月後の2026年3月7日、IM上席に対してSlack上で「2025年10月半ばに私をjgrad@nistep.go.jpのメーリングリストから外した際もそうでしたが、なぜ理由含めて事前に連絡してからの操作にならないのでしょうか。後ろめたいことがある、誠実ではないという判断にならざるを得ません。」と問いましたが、IM上席はその質問に回答をしませんでした。
その後、2026年2月12日頃にJGRAD参加大学の複数の関係者から私に「JGRAD事業が終わるというのは本当ですか?」という旨の質問の連絡がありました。私としても突然の質問に驚き、科学技術・学術政策研究所のウェブサイトからこの時期に公告される「JGRADサーバホスティング」「JGRAD運営委託」の調達情報を確認しました。すると「JGRADサーバホスティング」は公告されていましたが、「JGRAD運営委託」の公告はありませんでした。私は2026年度においてJGRADサーバ上の既存情報を維持する一方で、運営委託を活用した登録者拡大や情報更新を行わない方針であることを推察しました。
私は2月13日に現在の常勤担当のIM上席とIS上席に「JGRAD事業は終了予定なのでしょうか?」と尋ねたところ、まずIS上席から「JGRADは令和8年度中に運用を終了することになりました。齋藤さんにとって思い入れの強いものだとご推察します。」と返信があり、続いてIM上席から「書かれている通りホスティングは維持、運営委託は行わない方針となりました。」という返信がありました。このように私は、JGRAD参加大学(158大学)への事業中止通知がなされた後になって、初めてJGRAD事業終了の事実を知ることとなりました。その後、2月16日にJGRADのウェブサイトにおいて、JGRAD事業の中止が公表されました。(https://jgrad.nistep.go.jp/)
本件の問題として第一に指摘すべきは、担当者レベルの不誠実な情報の非共有です。IM上席は、私が無報酬で継続的にJGRAD事業支援を行っていたにもかかわらず、JGRAD事業用メーリングリストからの無断除外や意図的であると考えられる情報の非共有といった対応を行いました。また、JGRAD事業の終了という重大な意思決定についても、「JGRAD運営委託」の公告方針を決定した2026年1月中旬には方向性が定まっていたと考えられますが、私および他のJGRAD関連客員研究官に対する事前の情報共有や相談は行われず、JGRAD参加大学への通知後に、大学関係者からの問い合わせを通じて初めてその事実を知るに至りました。
第二に指摘すべき問題として、管理職によって幅広い情報共有や相談が促されなかったことが挙げられます。本来、担当者が限られた情報のもとで独善的な対応をとる可能性がある場合には、管理職は担当者に広い情報共有や多様な観点からの検討を促し、適切な意思決定を支援する役割があります。しかし、橋本総括においてそのような対応は行われず、短期間かつ限られた範囲での情報共有と検討によってJGRAD事業の中止が判断されたものと考えられます。
第三に指摘すべき問題として、科学技術・学術政策研究所の組織上層部におけるガバナンス機能の不全があります。塩崎所長は、私からのメール連絡と資料、その後の所内関係者との議論によって、JGRAD事業に関する引継ぎが十分に行われていないこと、橋本総括の業務管理に重大な問題があることを認識していました。それにもかかわらず、JGRAD事業の中止という重要な判断に際して、関係者に対する十分な状況確認や意見聴取が行われた形跡はなく、結果として、ごく短期間のうちにJGRAD参加大学に対する一方的な事業中止が承認されるに至りました。
JGRAD事業の終了理由について、科学技術・学術政策研究所のJGRADウェブサイトでは「今般の博士人材に関する追跡調査手法全体の見直しを進める」ことが掲げられています。しかし、[4K]に示したように、川村上席による「博士人材追跡調査-第5次-」の報告書公刊遅延が長期間にわたり黙認されてきた事実を踏まえても、博士人材に関する調査手法の見直しが主たる理由であるとは考え難い状況です。
これまで示してきた一連の経緯からすれば、JGRAD事業の終了は、担当職員による情報共有および協力体制の構築の欠如、管理職による意思決定支援および業務管理の放棄、さらに所長を含む組織としての実効的な是正措置の欠如という、業務管理およびガバナンス上の問題が累積した結果として考えられます。すなわち、本来であれば担当者、管理職、組織上層部という各段階において機能すべき是正・統治の仕組みが、いずれの段階においても十分に機能しなかったことが、本件の根本的な問題であったと考えられます。